甘口のデザートワインのことを指します。
貴腐とはカビの一種であり、完熟したブドウに貴腐菌というカビを付着させブドウの甘みを凝縮させることができます。
このカビの名前は「ボトリティス・シネレア」と呼ばれています。
1本のブドウの木からできる貴腐ワインはグラス1杯分です。
高級な赤ワインでも1本のブドウの木から1本のワインですが、それよりもさらに少量となります。
さらに収穫を全て人の手で行なっています。機械は使いません。
ソーテルヌを知る / 貴腐ワイン
貴腐ワインを知るにはフランスのソーテルヌ地方で作られる貴腐ワインを知ることから始まります。
似たような製法で作られるドイツとハンガリーの貴腐ワインも存在しますが、フランスのソーテルヌが基本の「キ」となっています。
世界3大貴腐ワイン
・フランス :ソーテルヌ
・ドイツ :トロッケンベーレンアウスレーゼ
・ハンガリー:トカイワイン
これらは貴腐ワインと呼ばれるもので全て甘口ワインですが、飲み比べてみると違いがはっきりとしています。
ドイツとハンガリーの貴腐ワインは割とサラサラとしており果実味を感じられ、ブドウの甘さを堪能できます。
フランスの貴腐ワインはネットリしたはちみつのような芳香さと完熟感を楽しめます。
ドイツやハンガリーと比べて、より黄金色が強く高級品でもあります。
シャトーディケムとは
フランスのソーテルヌという地区で作られる貴腐ワインの中に王のワインと呼ばれるものが存在します。
それが、シャトーディケムです。シャトーディケムとは作り手の名前であり、そのままワイン名となっています。(ブドウ品種はセミヨンとソービィニヨン・ブラン)
古くから英国王室でも活躍し熟成にも耐えうるポテンシャルがあるため、超高級品な贈り物としても古くから使われています。
王室で振舞われているが我々が飲めないわけではありません。
しかし、とても高価です。オススメはハーフボトルを買ってみることです。
さらにオススメがあります。
それは、ソーテルヌというワインを買ってみることです。地方名が付いているワインですが、シャトーディケムからハジかれたワインから作っていることも多いです。
公式にはセカンドワインは作られていないため、別のワインだと理解して試して頂きたいとは思いますが。
ちなみにシャトーディケムという作り手から「イグレック」というワインが作られています。
これは同じ土壌で作られている辛口の白ワインです。間違えないように注意してください。
飲み方
冷蔵庫で冷やして、白ワイングラスでゆっくり飲む。
飲む量は1日に1杯だけ。
残ったワインはすぐに悪くなることはありません。
食事の最後に黄金の王のワインをゆっくりと堪能して欲しいと思います。